〈はじめてのバイオリン・バイオリンの扱い方〉
(初心者向け)音叉を使ってとりあえずチューニングする方法
通常の調弦方法は初めての人にとっては難しいので、楽器を構えないで調弦をする方法を解説します。
- 音叉をつかって調弦する方法を解説します。音叉を使って調弦すると、バイオリン自体を鳴らすことができるので、音質が異なるピアノやチューナーが出す音に合わせるよりも、正しい音に合わせやすくなります。
- ラ(A)の音叉を1本用意すればよく、他の弦用の音叉は不要です。
- 音叉は、二股になったところの真ん中付近を叩くとよいです。先端を叩くと上手く鳴り難いです。本当は、硬いゴムや樹脂のハンマーで叩くのが良いのですが、自分の足の膝の骨の部分で叩いてもよいです。硬い金属では叩かないようにします。
初心者でもできる調弦の手順です。
- 楽器を膝の上に載せます。音叉を叩いたら、柄の部分をバイオリンの渦巻の部分にあてます。そうすると楽器自体がラの音を響かせます。楽器を鳴らしながら糸巻きを調整できるので、音叉を当てるのは渦巻の部分がよいでしょう。音叉を当てて鳴るラの音と、弦をはじいて鳴るラの音が同じになるように糸巻きで調節します。
- A線がラの音に合わせられたので、次にA線と5度の音程の関係にあるD線(レ)の音を合わせます。(音叉はもう不要です)A線とD線を同時に2本はじいて和音を鳴らせます。この2本の和音が5度の関係にある「きれいな響き」になるように、D線の糸巻きを調節します。5度の和音は、動画やサンプル音(下からダウンロードできます)を良く聴いて合わせて下さい。
- D線が調節できたら、次は、D線とG線を同時にはじいて、G線を調弦します。D線とG線も5度の和音の関係にありますので、これも、音を良く聴いて合わせます。
- 最後に、A線とE線を同時にはじいて、E線を調弦します。E線の調弦は微妙な作業なので、アジャスターで行うのが普通です。
- ポイントは、各弦の5度の和音の関係です。動画やサンプル音を聞きながら音をしっかり覚えるまで訓練しましょう。今後、バイオリンと付き合っていく中で、5度の和音関係をしっかり把握している事は非常に重要な事になります。
動画解説(youtube)
補足解説
音叉(おんさ)
音叉とは、こんなものです。高価なものではないです。二股に分かれた先端を叩くよりも、二股部分の中間くらいを叩くと、軽く叩くだけで音叉が振動しはじめます。
音叉の柄の部分を持って使います。二股に分かれている部分に触れると振動を抑えてしまい、音叉の振動が止まったり、弱くなってしまいますので、二股部分には触れないで使います。
解説している手順で調弦する場合は、渦巻に音叉を当てるとよいです。
写真の位置に音叉を当てると調弦しやすいと思います。
音叉は、楽器のどこにあててもなりますが、表板などの、木の弱い部分に金属を当てるとバイオリンを傷めるの可能性があるので、避けた方がいいです。