〈右手と弓の使い方・バイオリンの演奏テクニック〉
詳しいボーイングの解説 実践編 その2
アップ弓・ダウン弓の時の右手の指の動かし方
- ダウンボウの時、弓を持つ指は、アップボウに比べるて丸めるように動かします。指弓の練習で行う、指を曲げた状態になっています。小指側に手が傾くようになり、小指から弓に少し圧が乗るようなイメージになります。人差し指が弓に加える圧が、ほんの少し減る感じになります。(動作は動画で確認して下さい。)
- アップボウの時、指は少し伸び気味になります。指弓の練習で行う、指を伸ばした状態です。小指が弓にかける圧力が減り、人差し指が弓に加える圧力が増す感じになります。(動作は動画で確認して下さい。)
ボーイングの弓元での右腕・右手・指の動かし方
- ボーイングで弓元に向かう時は、右肘の高さは手の高さと同程度か、少しだけ低い位置までもちあげるようにします。先半弓弾いている時と同じように右肘を下に残したままではいけません。
- 弓元に向かうにつれて、小指、親指、中指を柔らかく丸めていくイメージをもつ。しかし、弓を返す時に極端に丸まった形にならないようにしてください。(動作は動画で確認して下さい。)やりすぎは、弓の返しでアクセントが付いたり、手を緊張させ過ぎることにもなります。
- 弓の毛を指板側に倒す時は、手の甲を指板側に倒すようにします。弓を持ち直すように指の位置をずらさないでください。
- 弓元では、右手全体が手首から小指側に曲がるようになります。弓元を弾いている時、右肘がしっかり上がってきていないと、手首からの右手の曲げがとてもきつくなります。どうしてもきついので手首を曲げきれず、弓の先端が背中側にいってしまい、悪いボーイングのパターンになってしまいます。手首からの右手の曲げが強すぎると、筋にストレスをあたえてしまい右手の故障の原因にもなりますので、右肘をしっかり上げてできるだけ右手首を曲げないで済むように気を配りましょう。
動画解説
補足解説
右肘が下がっていると右手首の曲げストレスが大きくなります。
弓元で右肘が下がったままだったり、親指が弓の下に潜りこみ過ぎていると、右手首の曲げがきつく、右手の腱鞘炎などの問題をかかえやすくなります。
動画の解説中で問題にしている右手首の曲げは、左の写真の赤線の角度です。
右手を傷めやすい方は、日頃のパソコン作業に注意しましょう。
パソコンのキーボードを打つ時の手首の曲がりは、弓元での右手首の曲がりと同じストレスを筋に与えます。左の写真では手首の曲がりが分かりやすいように赤線を入れています。上の弓元での手首の写真と比較してみて下さい。
右手の甲や前腕の筋を傷めやすい方は日頃から注意しましょう。手首のストレスが軽減される特殊な形をしたキーボードが売られていますので、購入してみるのもよいでしょう。