〈右手と弓の使い方・バイオリンの演奏テクニック〉
マルテレ(Martele)/マルテラート(Martelato)の弾き方と練習方法
ゆっくりめのマルトレで練習をはじめる
- 発音を非常にはっきりと、直ぐに弓圧を開放して楽器を響かせる弾き方で、マルトレ、マルテレ、マルテラート等と呼ばれます。音を軽く破裂させるようなイメージです。
- マルトレの練習をはじめる時は、弓圧を入れる、抜く、の基本動作がしっかり確認できるように、弓先から弓中の半弓くらいをたっぷり使うようにしましょう。
- 音の出だしで弓圧をしっかり乗せて、サッと弓を流すと同時に弓圧を開放させて楽器が響くようにします。弓の速さはデターシェの時よりも速くなります。
- 弓圧を乗せる時には、指の柔らかさも使って少し溜めをつくる意識をもって、音と音の間をはっきりさせるようにします。
速いマルトレは音が流れないように
- マルトレで速く弾くと、音と音の間が曖昧になってしまい、音が流れてくっついたような状態になりがちです。そのようにならない為にも、発音のタイミングでしっかり踏ん張って弓圧を乗せて止まる、溜めるようにして、パッと弓圧を開放させるようにします。この動作の時は、右手の指の運動や柔軟性をしっかり意識するようにすると良いです。速いマルトレでは弓を使う量が少なめになりますので、その分、指の運動もつかって弓の速度を上げて音量や響きを維持するようにします。
- 速いマルトレでは、弓圧の開放が不十分だったり、次の音を弾くために直ぐに弓で弦を押えてしまったりして、楽器の響きを止めてしまいがちです。速いマルトレができない場合は、ゆっくりのマルトレで指の運動も意識しながら弓圧のコントロールを確認しましょう。
- マルトレの指の運動については、 指の運動・指弓・弓の返し の動画解説の「指の運動」「指弓」も参考にしてみて下さい。
動画解説
補足解説
マルテレの練習曲としてカイザー5番(Kayser 36 etudes No.5)お勧めです
楽譜
動画で解説している箇所の楽譜です。はじめは、Allegro vivace より遅くして練習しましょう。