〈左手・指の使い方・バイオリンの演奏テクニック〉
トリル・装飾音符(短前打音・長前打音・プラルトリラー)
バイオリンの演奏では、華やかさを演出するために、装飾音符やトリルと呼ばれる演奏手法が用いられます。このような演奏表現手法には幾つか種類がありますので、それらについて解説します。
トリルを軽快に弾けずに困っている方向けに、 トリルを弾く時に注意する点とトリルのコツ について解説します。
また、良いトリルができるように組まれた、 トリルの練習手順 について解説します。
バイオリンを演奏する時によく出てくる装飾音符の仲間には以下のようなものがあります。
- 短前打音(たんぜんだおん)
- 長前打音(ちょうぜんだおん)
- プラルトリラー(Pralltriller)
- トリラー(triller)
装飾音符には、楽譜上の表記は異なっているが同じ奏法をするものもあります。補足解説の欄で、楽譜上の表記と対応する演奏方法を解説しています。一部、動画で解説していない装飾音符がありますが、たまにお目にかかることとがあるので確認しておくことをお勧めします。
動画解説(youtube)
補足解説
主となる音(主音)の前に斜線の入った小さな音符で付け加えられている音です。
演奏する時は、指板を叩くようにして一つ音を入れます。短前打音は主音に食い込んで加えられる音なので、あくまでも主音と合わせて1拍分の長さになるように演奏します。
また、斜線の入っていない小さな音符が楽譜に記載されている場合があり、長前打音と呼ばれて区別されています。
短前打音よりは「長く」という気持ちが込めれていますが、曲の表現の仕方によってかわってきます。
音符の上に2山の波線で表記されているものです。
演奏する時は、2度上の音を1つ入れます。2度上の音とは、シに対してド、ドに対してレ、という関係です。当然ながら、曲の調によって、音の間隔が全音か半音か変わってきます。
小さい音符を2つ並べて書かれているものも表記は異なりますが演奏方法は同じです。
プラルトリラーの表記である2山の波線に、縦の棒が引いてあるものです。
演奏する時は、2度下の音を一ついれます。2度下の音とは、ドに対してシ、シに対してラ、になります。
こちらも、小さい音符を2つならべて書く場合があります。演奏方法は同じです。
プラルトリラーの表記である2山の波線に、臨時記号のシャープやフラット等が追加されている場合があります。演奏するときは、2度上の音に臨時記号を適用することになります。
表記上は音符の上に「tr」と書かれたものです。
演奏する時は、2度上の短い音を複数回入れます。入れる音の回数は決まっていません。音の長さいっぱいいっぱいに短い音を入れ続けるあれば、頭に2,3回だけ入れて次の音に向向かってタメを作る場合もあります。これは曲にどのような想いを込めたいか、という表現方法によって変わってきます。
「tr」に臨時記号のシャープやフラット等が追加されているものです。演奏する時は、2度上の音に臨時記号を適用することになります。