〈右手と弓の使い方・バイオリンの演奏テクニック〉
デターシェ・Detacheの弾き方と練習方法
デターシェはボーイングの一番の基礎です
- 発音をはっきりさせるために、弓へ圧をしっかり乗せて弾きはじめます。
- 弓全体に渡って均質な音がでるようにし、中ふくらしないように注意します。「中ぶくらみ」とは、音の出だしと終りで音が小さくなって、音の真ん中が不自然に大きくなる弾き方のことです。
- はじめのころは、弓を返す時に慎重になりますので、自然と、弓を返す手前で弓の速度が落ちたり弓圧が抜けて音が細く、小さくなりがちです。そして、弓を返した後は、安心するのか弓を速く運び過ぎて音が大きくなり過ぎる傾向がありますので注意しましょう。
- 基本的には、弓を返す前と後で速度は変わらないようにするのが均質な音をつくるには都合が良いのですが、心の持ち方としては、弓を返す直前は「慎重になりすぎず」、弓の返した直後は「ゆっくりと」を意識しておくと良いでしょう。
3連音符の練習で上げ弓と下げ弓の音質を均等にする
- 上げ弓(アップ)と下げ弓(ダウン)で音質が同じになるように心がけて練習します。アップは油断すると弓圧が乗らずに音が抜けてしまいがちです。日頃の練習の中で「3連音符」を取り入れて、特にアップの音に注意を払います。弓順を入れ替えるなどして、アップとダウンの両方を意識しながら練習すると、均質な弓使いの練習としてとても効果があります。
動画解説
補足解説
普段の練習に3連音符を取り入れる
楽譜
普段練習している曲や音階練習でもいいので、1音を3連符に変えて弾くようにします。このとき、アップ弓に特に注意して、アップとダウンの音質に差が出ないように練習します。
例えば、上の例はカイザーの1番の冒頭部分を3連符に変えたものです。