〈バイオリンのメンテナンス・バイオリンの扱い方〉
【実演】バイオリンの弦の張り方 〜弦の張り替え手順〜
バイオリンの弦が切れてしまったり、弦が古くなって(錆びたり)しまったら弦を張りかえる必要があります。楽器屋さんでも弦の張り替えをしてくれるところがありますが、それほど難しい作業ではないので、自分でやってみることをおすすめします。
交換する弦の種類を確認します。
- 当然ですが、G線、D線、A線、E線はそれぞれ別の種類の弦が張ってありますので、必要な弦を買うようにして下さい。
- 弦には、ボールタイプ(ボールエンド)のものと、ループタイプ(ループエンド)のものがあります。弦をひっかけているテールピースをよく見て、どちらか選ぶようにします。
- 多くの方は、G線、D線、A線は、ボールエンドの弦を使っていると思います。E線は、アジャスターのタイプにより、ループエンドとポールエンドのどちらかになります。
糸巻き(ペグ)への弦の巻き方はちょっとコツが必要です。
- D線とA線はそれほど難しくなく巻き上げることができるはずです。G線とE線は、弦をペグの穴に通す時、糸巻き箱の壁とD線(あるいはA線)の間のせまいところで、弦を穴に入れてからペグを奥に押し込むようにします。そうしないと、G線とD線(あるいは、A線とE線)が交差してしまい良くありません。
弦の張替のタイミングで、普段できない指板の掃除や、ペグの手入れをします。
- 調弦の時に糸巻き(ペグ)が硬くて回り難い場合、弦の張り替えの時にコンポジション(潤滑剤)をペグに塗っておきます。バイオリンの弦は一度張ると癖がついてしまい、コンポジションを塗るためだけに糸巻きを外すのは結構難しいですから、弦の交換の時に手入れをするようにします。
動画解説(youtube 前半 弦の種類など説明)
動画解説(youtube 後半 張り替え作業の途中から)
補足解説
バイオリンの弦が正しく張られている状態(赤線は悪い例)
初心者がはじめてバイオリンの弦を張り替える際、なにも考えずに「普通に」張り替えてしまうと、左図の赤線のようにE線とA線が交差してしまうような張り方になってしまうと思います。(G線はD線と交差してしまう。)
正しくは、青線で描かれたように弦を張る必要がありますので、動画の張り方の実演を参考にして、弦をペグに通す方法を確認してから張り替えて下さい。一度弦を巻いてしまうと弦にクセがつくのでやり直しがとても難しくなります。注意してください。
E線の弦を張りかえる時の注意
バイオリンのE線には、弦が駒に食い込まないようにするためのガードが付いています。
写真で指の位置にある黒いゴム状のものがそのガードです。間違って取ってしまわないようにしましょう。
E線についている駒のガードは指板側にできるだけ出さないようにします。
E線を張って、糸巻きを締めあげていく前に、写真のようにガードを駒の上に載せます。この時、できるだけガードが駒の指板側に出ないように置きます。あまり指板側にでてしまうと、弦の振動を止めてしまい音が響かなくなってしまいます。
E線の張り方は、この駒のガードの取り付け以外の部分は、対称の位置にあるG線の張り方と同じです。動画で解説していますので、そちらを参考にして下さい。