〈右手と弓の使い方・バイオリンの演奏テクニック〉
スラースタッカート/一弓スタッカート(one-bow staccato)の弾き方と練習方法
スラースタッカートの弾き方を2種類解説します
- 譜面上で、スタッカートの記号が付いた音符をスラーでつなげた「スラースタッカート」の箇所の弾き方は、アクセントをつけてマルトレのように弾く時と、柔らかくつなげて弾く時とがあります。曲の表現が変わりますので動画で確認してみてください。
- アクセントをつけてスラースタッカートする場合の例・・・おもちゃのシンフォニー(モーツアルト)の冒頭部
- 柔らかくつなげてスラースタッカートする場合の例・・・カイザー17番
アクセントをつけた短いスラースタッカートの弾き方
- 基本はマルトレですが、より手首の動きを意識して、音の区切りをはっきりさせた短いマルテレを連続させて弾きます。クロイツェル4番やカイザー33番あたりが良い練習曲です。
- 短い音が連続するスラースタッカートをする時は、特に、手首の上下の動きを意識します。手首の下げで音を止めて、手首の上げで開放をする、という動作を繰り返します。手首の下げで止まる時、踏ん張って溜めをつくるのが難しいと感じる場合は、人差し指から弓への圧を乗せるイメージをしっかり持つようにします。
- 弓先は、弓に圧を加えるのが難しく音が流れやすいので、人差し指で圧をしっかり乗せられるように手首を少し回転させるような意識を持つとよいです。手首の動きは動画で確認してください。
- 最初は、踏ん張りが甘く圧を加えられずに音が流れてしまうと思います。そのような場合は、マルトレを2つつなげて弾く練習をして、感覚を確認して下さい。
- 反対に、弓圧が乗りっぱなしになって開放できていないと、つぶれた濁った音になってしまい楽器が響きませんので注意しましょう。
動画解説
ゆったりしたスラースタッカートの練習曲 カイザー17番(Kayser 36 etudes No.17)
柔らかく、ゆったりと音をつなげるスラースタッカートです。
速いスラースタッカートの練習曲 カイザー33番(Kayser 36 etudes No.33)
短い音をアクセントをつけて連続して弾くスラースタッカートをカイザー33番で練習してみましょう。はじめは、遅くして弓の使い方をしっかり練習しましょう。