〈左手・指の使い方・バイオリンの演奏テクニック〉
トリルの練習手順
トリルを練習する時に特に注意したいポイントは、
・トリルを入れてもメロディーのリズムが崩れないようにする
・指板に残している指の力を抜く
です。(*その他にも注意したい点がありますが、「
トリルの弾き方・練習のコツ
」を参考にしてください。)
ここで紹介するトリルの練習方法は、トリルの後に装飾音を組み合わせた練習です。このようなトリルと装飾音を組み合わせた形で練習すると、指板に残している指の力を抜いてトリルをする良い訓練になります。指板に残している指に力が入ってきてしまうと、トリルの次の動作がもたついて曲のリズムが崩れてしまいますので注意が必要です。
いきなり練習をはじめると混乱しますので、手順を踏んで進めましょう。補足解説の欄に解説図入りで順に説明します。
動画解説(youtube)
補足解説
このようなトリルと装飾音符の組み合わせ練習をします。この旋律を弾くことが最終的なゴールです。手順を踏んで練習するのが上達の近道です。
はじめに、音程の確認と指の運びをゆっくり確認します。
スラーに7の数字がありますが、7つの音を1拍分(四分音符の長さ)に入れ込むことを示しています。
メロディーを確認するために、トリルと装飾音符を外してテンポを細かく取りながら弾きます。この例では、1拍の半分の長さ(8分音符)でリズムを刻むと、この次に装飾音符を入れて弾く時に正確にリズムをとる事が出来ます。
次に、装飾音符を入れて弾いてみます。装飾音符は、1拍目と3拍目の4分音符の時間内に収まるように注意します。このリズムをしっかり覚えて下さい。
最後にトリルを入れます。はじめは、沢山トリルを入れようとはせずに、2つ入れることからはじめましょう。
この時に1ステップ前で確認したリズムがくずれないように注意します。
注意する点は、装飾音符を弾くために1の指(シ♭)がもたついて上がらない事が無いように気をつけます。何回か弾いているうちに、1の指が上がらなくなったらトリルをしているときに不要な力が1の指にだんだん入ってきてしまっている事を意味しています。
指が回ってきたら、トリルをリズムを守りながら時間いっぱいに入れてみます。
実際に曲を演奏する際にトリルを何回入れるかは、曲で表現したいことに依存しますので、必ずしも速く沢山トリルを弾く必要はありません。