〈左手・指の使い方・バイオリンの演奏テクニック〉
トリルの弾き方・練習のコツ【指や弓の使い方】
トリルの練習をする際に注意する点について解説します。トリルを軽快に速く弾けずに困っている方は参考にして下さい。
手の平に力が入らないように注意
トリルは指の付け根の関節を回転の軸とした指の上下運動です。速く指を動かそうとして指に力を入れてはいけません。外見から力が入り過ぎているかどうかを判断することは難しいですが、トリルを続けていて手の平の筋肉が疲れると感じる場合は、指に不要な力が入っている可能性があります。(トリルを続けて疲労がたまるのは腕の筋になるかと思います。筋を傷めると腱鞘炎など怖いことになりますので違和感を覚えたら無理はしないほうがよいです。)
指の勢いや高さに注意
トリルはバイオリンの指板を叩くように指を打ち下ろすことで生まれる勢いで弦を押えます。ですので、指に力を入れて弦をしっかり押える必要はなく、勢いで一瞬弦を押えることができれば十分です。ただし、トリルの音の切れが悪くて、はっきりしないブファブファとした音が続いてしまう場合には、押える力が足りない(勢いが弱い)ことを意味しています。トリルの速度を落としてもかまいませんので、よりしっかりと指で指板を叩けるように指の運動を修正してください。
勢いをつけるために指を高く上げ過ぎないないように注意します。上げ過ぎると音程を外し易くなりますし、速いトリルができなくなってしまいます。指を持ち上げる高さは指の関節半分くらいで十分です。
指板に残った指の力を抜く(見落としがちなポイント)
トリルを練習する時、指板に残っている指に力が入らないように注意してください。重要なポイントなのですが見落としがちです。初心者がトリルを練習していると、指板に残っている指にだんだん力が入ってきて指板をがっちり握ってしまう傾向があります。指板に残っている指に力が入ってしまうと、Trillsの次の指の動きが悪くなり、もたついてしまい曲のリズムを守れなくなってしまいます。
この点を考慮した良い練習方法を「 トリルの練習手順の解説 」で取り上げていますので参考にして下さい。
左手が難しい所は、弓の圧や速さ(右手の助け)に気を使う
忘れがちですが重要なポイントは弓の働きです。装飾音やトリルを弾く時には弓に圧を乗せて毛をたっぷり使います。弓の圧が十分でないと音があいまいになったり音が抜けて擦れた音がでてしまいます。弓の助け、とか右手の助け、等と呼ぶ時がありますが、左手が難しいところは弓圧や弓の速度に注意して、右手と左手を連動させるように心がけて下さい。