〈左手・指の使い方・バイオリンの演奏テクニック〉
特集 ポジションチェンジの練習方法 【指の変更のある移動】
ポジションチェンジする前と後で押える指が変わる実践的なポジション移動の練習手順を解説します。例えば、1stポジションで2の指を押さえて、3rdポジションに移動して1の指で押えるというポジション移動です。移動先のポジションで、正しい手の形で正確な音をとらえる基礎が出来ている必要がありますので、ここに不安がある方は、「 ポジションチェンジの練習方法1【1の指での移動練習】 」で解説した、人差し指でのポジションチェンジ動作で練習してください。
移動の前後で指を変えるパターンを、4パターンに分けて整理します。
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ポジションを上げる時に、下の指から上の指に変わるバターン。例えば、1stで1の指で押えて、2ndで2の指で押えるような場合です。
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ポジションを上げる時に、上の指から下の指に変わるパターン。例えば、1stで2の指で押えて、3rdで1の指で押えるような場合です。
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ポジションを下げる時に、下の指から上の指に変わるバターン。例えば、3rdで1の指で押えて、1stで2の指で押えるような場合です。
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ポジションを下げる時に、上の指から下の指に変わるパターン。例えば、2ndで2の指で押えて、1stで1の指で押えるような場合です。
補助音符(中間音符)の役割について。
- バイオリン教本等でポジションチェンジの練習方法を解説している箇所で、補助音符(中間音符)というものがでてきます。これは、正しい手の形で移動できるように補助する事を目的として、ポジション移動の間に仮の音符を考えたものです。
- どの音を中間音とするべきかは、議論がある場合もあるようです。ある中間音符を書籍によっては薦めていたり、正しくないと否定していたりします。
- 練習のはじめでは、中間音符をしっかり弾いて、手の形を確かめるようにします。そして、徐々に中間音符を短く、軽く弾くようにしていきます。弓の圧を少し弱め、速度も少し落とすと中間音符が目立たなくなります。
動画解説(前半 youtube)
動画解説(後半 youtube)
動画解説(goo)
youtube動画と同内容(前半と後半通し)です。お好みのプレーヤーでどうぞ。
補足解説
下の指から上の指に変わるパターンでポジションを上げ(パターン1)、上の指から下の指に変わるパターンでポジションを下げる(パターン4)の組み合わせ練習です。
第一ポジションの1の指のシ 第二ポジションの2の指のレ の間に、第二ポジションの1の指のドを中間音符として考えます。左の譜面では括弧で囲ってあります。
手の形を正しく保ったまま第二ポジションに移動することを、第二ポジションで1の指を押えることによって強制しています。
そして、下がってくる時も第二ポジションの1の指でドを中間音として考えます。
「 第一ポジションから第二ポジションへの移動練習 」と「 第一ポジションから第三ポジションへの移動練習(1) 」で練習してみてください。
上の指から下の指に変わるパターンでポジションを上げて(パターン2)、下の指から上の指に変わるパターンでポジションを下げる(パターン3)の組み合わせ練習です。
第一ポジションの2の指でド、を押え、第三ポジションの1の指でレ、を押えます。1の指と2の指が入れ換わる形になり、ポジションチェンジとしては難しいパターンです。
補助音符を考えて手の形を確認したほうが良いです。この場合の補助音符は、第一ポジションの1の指のシ になります。第三ポジションの2指のミ は中間音とはしないと思います。
降りてくるときも、第一ポジションの1の指のシ を補助音符とするのが良いでしょう。
「第一ポジションから第三ポジションへの移動練習(2) 」で練習してみてください。