"ガボット ゴセック作曲"の演奏方法のポイント2

★速いスタッカートの演奏は、弓をはずませる感じを大切にしましょう。

8分音符や16分音符の速いスタッカートは、弓をバウンドさせる感じで弾いてみましょう。弓先に比べて弓元のほうがバウンドがコントロールしやすいです。自分がコントロールしやすい場所を探しておきましょう。

開放弦の音も、ビブラートで響きが良くなります。

1オクターブ高い音をビブラートさせることで、開放弦の音も響きがよくなります。

リタルダントとグリッサンドで曲の山場を演出しましょう。

曲の山場である13小節目と14小節目では、たっぷりと弾かせるためにリタルダントをつかいましょう。さらに曲の雰囲気を出すためにグリッサンドを入れてみましょう。

ビブラート スタッカート リタルダント グリッサンド ポジションチェンジ サードポジション 装飾音

動画で解説

楽譜

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解説

速いスタッカートの奏法

ゴセックのガボットはスタッカートが数多く出てくる軽快な曲です。曲中には、8分音符のスタッカートと16分音符のスタッカートがでてきます。8分音符のスタッカートは16分音符のスタッカートに比べて弓をコントロールしやすいので、1小節目で、スタッカートをしっかり練習しておきましょう。

はじめは、スタッカート無しで音程練習をして、音程が取れるようになったらスタッカートを入れましょう。

速いスタッカートは、弓を弦でバウンドさせる感じで弾いてみましょう。このとき、バウンドをコントロールしやすいのは、弓の元の方です。弓の先に行くほどバウンドしやすくなりますが、制御するのが難しくなります。

ファーストポジションからサードポジションへのチェンジ
ポジションチェンジ・サードポジション

2小節目の頭で、サードポジションへポジションチェンジします。1つ前の音が開放弦なので時間の余裕があるので、しっかり”レ”の音を狙って押さえましょう。

装飾音の”ド#”(3の指)と”レ”(4の指)は、指の間隔は狭く、ほとんどくっつけて押さえる形です。”ド#”を正確に押さえる練習をしておくとよいでしょう。サードポジションでの左手指の間隔は、ファーストポジションでの指の間隔に比べて幾分狭いので注意しましょう。

ビブラートをかけて、開放弦の音を響かせる奏法
開放弦・ビブラート

3小節目の頭で、左手をファーストポジションに戻すと同時に、弓は素早く弓元にもどしましょう。

4小節目の3拍目、”ラ”(A線開放弦)ですが、E線の3の指でビブラートをかけると、ただの開放弦よりも響きがよくなります。このとき、あくまでも弓で弾くのはA線だけで、E線は弾きませんが、E線上の3の指でビブラートをかけるのです。これは、ちょうどE線上の3の指が、A線開放弦”ラ”より1オクターブ高い”ラ”のために共鳴するからです。

リタルダント(rit.)とグリッサンドの奏法

13小節目は、フォルテでたっぷりと演奏し、14小節目は曲の山に向かって徐々に速度を落としてもりあがる”リタルダント”で演奏します。(楽譜上でrit.で表記されてます。)

また、14小節目の2拍目から3拍目にかけて、サードポジションに音程を引きずるように上げていく”グリッサンド”とよばれる奏法で弾くと、グッと雰囲気がよくなります。(楽譜上で波線で表記されています。)

15小節目は一転し、速度を元に戻して(a tempo)、ピアノで軽快に演奏し曲をまとめます。