"ユーモレスク ドボルザーク作曲"
バイオリン演奏のポイント1 〜事前準備〜

★ト長調とト短調の音階練習

ユーモレスクは途中、転調により曲の雰囲気ががらっと変わります。あらかじめ2つの音階を練習しておいて、指のポジションの感覚を掴んでおきましょう。

★ファーストポジションとサードポジションのポジションチェンジの時に音程が狂わないように練習しましょう。

ポジションチェンジの際には音程が乱れがちになります。ポジションチェンジ後の音程がしっかりとれるように、事前に、ファーストポジションからサードポジションへ、また、その逆のポジションチェンジの練習をしておきましょう。

★ハイポジションでの演奏時の左手位置の感覚をつかみましょう。

サードポジションより高い位置でバイオリンを演奏する場合、左手の親指の位置はバイオリンのネックの下になります。

 

ト長調 G-Dur(ゲードゥァ) G-Major ト短調 G-moll(ゲーモール) G-Minor 転調 ハイポジション ポジションチェンジ

動画で解説

補足解説

ト長調の音階練習 (G-Dur:G Major) 
[ユーモレスク]バイオリン演奏のためのト長調音階練習

ユーモレスクの第1小節目から24小節目までの調はト長調です。25小節目からト長調へ転調し重々しい雰囲気になり、再び、41小節目から転調してト長調にもどります。

ト長調のまたの呼び方は、G-Major(ジーメージャー)、あるいは、バイオリンを演奏する人の間では、G-Dur(ゲードゥァ)となります。

ユーモレスクをバイオリンで演奏する際に使う音を中心に、音階練習をして音程を確認しておきましょう。G線のソ(開放弦)からスタートして2オクターブ分練習しておきます。

G-Durの音階は、ファが半音あがるため、ファーストポジションでは、D線2の指とE線1の指の位置が半音分上に上がります。この左手の指の並びは、ストレスが少ない指の形なので、バイオリンを演奏するうえで最も楽で自然な左手の指の配置と言えます。

ト短調音階練習 (g-moll:G Minor) 
「ユーモレスク」バイオリンレッスンの為のト短調音階

25小節目から40小節目まではト短調です。ト短調の音階を練習しておきます。

ト短調のまたの呼び方は、G-Minor(ジーマイナー)、あるいは、バイオリンを演奏する人の間では、g-moll(ゲーモール)となります。

短調の和声的音階で練習すると、ト短調(g-moll)の場合、ファにシャープが付き半音上がります。また、シとミの音が半音下がるので注意してください。特に、A線1の指のシ、では左手1の指に形にストレスが少しかかりますが、不自然な手の形にならないように、ファーストポジションでの左手の位置や形をしっかり守るように注意してください。ここを崩してしまうと、他の音程を正確に取ることが難しくなってしまします。

ハイポジションへのポジションチェンジ練習
バイオリン・ハイポジション演奏時の左手親指の位置はネックの下

ユーモレスクをバイオリンで演奏するには、どうしてもハイポジションの音を引く必要があります。ハイポジションでは、サードポジションまでの左手の形とは大分ことなり、始めのうちは音程をしっかりとることが難しいと感じるかもしれませんが、ポイントを確認して少しづつ練習していくようにしてください。

ユーモレスクの曲中にでてくるハイポジションは、第五ポジションで、第3ポジションからのポジション移動になります。ここでは、その練習をしましょう。

まず、第3ポジションでA線4の指、ソの音を押さえます。次に、同じ音であるソの音を、第五ポジション(ハイポジション)に移動して指を入れ替えるようにして押さえ直す練習をします。第4ポジション以上のハイポジションをバイオリンでとるときは、左手の親指はバイオリンのネックの部分に当てるようになります。ポジションが高くなるにつれて、親指が当たるネックの場所や、バイオリン本体に触れる手の平の部分が変わってきます。正確に音を押さえたときに、左手がバイオリンにどのように接するのかをあらかじめ確認しておきましょう。左手とバイオリンの触れかたを覚えておくことで正確な音程を取り易くなります。