メヌエット ボッケリーニ作曲(L.Boccherini)のバイオリン演奏方法のポイント3 〜9小節から最後〜

フレーズを考慮して、フレーズ末を少し遅く弾くことで、ポジションチェンジの時間を稼ぐ

この曲では、ポジションチェンジや、音程の確認に時間がとれない箇所があり、バイオリンの初中級者には難しい箇所になっています。幸い、フレーズをうまく利用することで、ポジションチェンジの前に演奏速度を遅くして時間を稼ぐことができます。

バイオリンの音色を変えたい、あるいは、変えたくない場合、ポジションチェンジをうまく利用しましょう。

ポジションチェンジをしなくても弾くことができますが、あえて、音色のことを考えてポジションチェンジをしたり、弾く弦を変えたりすることがあります。表現力アップのため積極的にポジションチェンジを利用しましょう。

ポジションチェンジ バイオリンの音色の変化 フレーズ

ボッケリーニ作曲メヌエットのバイオリン演奏を動画で解説

楽譜

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補足解説

フレーズの終わりをゆっくり弾いてポジションチェンジの時間を稼ぐ

46〜48小節目

13小節目や、最後の48小節目からD.C al Fineで先頭に戻ってくる所では、休符なしでセカンドポジションにポジション移動して装飾音付きのメロディを弾く必要があり、この曲を演奏する上で最も難しい箇所の一つです。

幸い、フレーズ(メロディのまとまり)の切れ目ですので、前のフレーズの最後を速度を少し落として弾くようにすると、ポジションチェンジや音程の確認をする時間の余裕が生まれます。不自然にならない程度の減速でしたら、むしろ、バイオリンの演奏としてもアジがでるので、積極的に減速を利用しましょう。

もちろん、メロディの開始時点では、速度はもとの速さにもどしますので、テンポの切り替えをしっかり確認しましょう。

ポジションチェンジで弦を変えてバイオリンの音色を変えてみましょう。

バイオリンは、弾く弦によって、あるいは、弾くポジションによって音色が異なります。それを逆手に利用して、楽器の音色に変化をつけたいとき、その反対に、変化をつけたくないときは、ポジションチェンジをして指で押さえる場所をかえたり、弾く弦を変えたりします。

28小節目ですが、サードポジションからファーストポジションに移動して、この小説の音をすべてA線で弾くようにしています。もし、すべてファーストポジションで弾くとすると、”ファ、ミ”をE線上で、”レ”を開放弦か、A線4の指で弾くことになり、下がってくる音階の音色が微妙に異なってきてしまいます。ポジションを変えることで、すべてをA線上の均質な音色で音階を降りてくることができます。

一方、36小節目の、”ラ”の音は、あえて、開放弦で弾くパターンとD線のサードポジションで弾くパターンに分けることで、異なった音色を楽しむようにしています。同じ音ではつまらない場合、音に変化をつけたい場合、このようなテクニックによって表現が豊かになります。