メヌエット ボッケリーニ作曲(L.Boccherini)のバイオリン演奏方法のポイント2 〜冒頭から8小節目〜

ポジションチェンジで表現力をつけましょう。

曲の音階としては、すべてファーストポジションで弾けてしまうのですが、ポジションチェンジをすることで、曲を豊かに表現することができるようになります。特に、冒頭から8小節目までに、頻繁にポジションチェンジが発生するのでしっかり練習しましょう。

アウフタクト・弱起(じゃっき)に注意

曲の出だしの注意点として、装飾音とアウフタクトがあります。拍を心の中でしっかり数えて曲に入りましょう。

繰り返し箇所は、フラジオや強弱で変化をつけて弾きましょう。

繰り返し箇所は単調に繰り返さずに、フラジオレットや、フォルテ・ピアノで強弱をつけると曲に変化が生まれ表現が豊かになります。

 

アウフタクト 弱起(じゃっき) フラジオレット 装飾音 ポジションチェンジ 

ボッケリーニ作曲メヌエットのバイオリン演奏を動画で解説

楽譜

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補足解説

ポジションチェンジに注意 ポジションチェンジで表現力がアップ! 

はじめの8小節間は、セカンドポジション、ファーストぽじしょん、サードポジション、ファーストポジション、という具合に頻繁にポジションチェンジをします。しかも、ポジションチェンジの際に与えられている時間が、八分休符だけ、もしくはゼロなので、ポジションチェンジに慣れていない方にとって難易度が高い部分です。

曲の冒頭から8小節目まで、無理をすれば、すべてファーストポジションで弾けてしまうのですが、曲に豊かな表現をつけるためにはポジションチェンジが必要になってきます。

具体的に説明すると、曲の冒頭で2ndにすることで、装飾音を2と3の指で弾くことができます。もし、この冒頭を1stで弾くと、4の指で装飾音を弾くことになり音色や響き方が落ちてしまいます。一般的に、その他の指に比べて、4の指で音を響かせる事はバイオリンの演奏テクニックとしては難易度が高くなります。

同様に、4小節目、5小節目では、6小節目との対比を際立たせるために、フラジオレットを入れて、3rdで弾きます。もし、すべてファーストで弾くと、4,5,6小節は同じ繰り返しで変化の少ない単調な調べになってしまいます。

ポジションチェンジで音程が崩れてしまいがちな方は、繰り返し、ゆっくりとチェンジの練習をしましょう。どうしても難しい方は、バイオリンの練習方法としてはあまり推奨はできませんが、指板(しばん)の横に目印となるシールを貼っておくと音程が取り易くなります。

アウフタクト・弱起(じゃっき)の出だしに注意
弓の毛を半分に

この曲の冒頭のように、3拍目からスタートすることを、アウフタクトと言います。弱起(じゃっき)と日本語では言います。

こころのなかで、1,2,と数えて3拍目から上手く入るように練習しましょう。

アウフタクトの部分の練習は、最初は装飾音なしで練習しましょう。また、1小節目はじめの”ラ”の音は、8分音符で、かつ、短く弾くので、ダウン弓を沢山使うことができません。ですので、アウフタクトの部分では、あまり弓を沢山使わずに、半弓(はんきゅう)くらいにしておきます。

1小節目は、シンコペーションのリズムに注意して演奏しましょう。シンコペーションについては、準備練習のパートを参考にしてください。

2小節目、1拍目と2拍目の間に、すこし間隔をあけます。譜面では「’」で表記されていますが、ここでは、一瞬弓を弦から浮かせて、間をとってから再び弾き始めるようにします。再び、弦に弓をあてる時は、弓の毛を斜めに傾けて(左の写真)、毛を半分程度使うつもりで丁寧にコンタクトするように注意しましょう。

繰り返し箇所は、フラジオや強弱で変化をつけて弾きましょう。
フラジオレット

4小節目から7小節目には、13小節目は、”ラ ファ ミ レ レ レ”のフレーズが3回繰り返されます。1回目は、フォルテではっきりと、2回目はピアノでエコーのように、3回目は次の展開にもっていくようにはっきりと変化をつけて演奏するとよいでしょう。

サードポジションに移動して、フラジオで”ラ”を弾く箇所は、上手く場所を掴むのに苦労するかもしれませんがフラジオを押さえるだけでなく、サードポジションが安定してとれるように注意しましょう。フラジオは音色がかなり変わってくるので、曲の表現に変化をつけるにはとても有効ですから、しっかり練習しましょう。